dechi

fictions

027.いつも通りの

 

 通り過ぎていく雲の中から、冷たい破片が降ってきて、やがて目を開けていられなくなる。うん。
    それでその里には、太郎やら次郎やらの子ども達が眠っていて、うん。
    静かな夜をもっと静かにして、記憶は降り積もって厚い層になっていく。

続きを読む